ガンダム 知識労働社会のニュータイプ

 機動戦士ガンダムの設定は、リアリティをもたせるための工夫に満ちています。例えば、なぜ人が巨大ロボットを操縦して戦わないといけないのか、について明確な理由があります。「お約束」だから、だけではないのです。
 まず、モビルスーツ登場以前の宇宙世紀*1においては、宇宙戦艦やレーダー機器を用いた国家間戦争が行われていました。宇宙戦艦は洋上の戦艦と同様に、乗組員が上官の指示に従い持ち場の仕事に専念することによって運行されるものと思われます。乗組員の大半は、指示通りのことを処理するだけと思われます。
 あるとき、レーダー機器を無効にするミノフスキー粒子が発明されます。これによって、個人が操縦する1人乗り機体が、戦艦に接近して直接ダメージを与えることが可能になります。その1人乗り機体がモビルスーツ。そこで、モビルスーツパイロットはピーター・ドラッカー*2的に言うところの「知的労働」の戦闘員と考えられます。団体・組織が保有して発揮する能力だけで戦闘の勝敗が決まるだけでなく、個人が発揮する能力で勝敗が決まる場面が多くなります。赤い彗星シャア・アズナブルは、個人で戦艦を撃沈する極めて優秀なパイロットでした。個人の発揮する力がブランド化し、戦闘結果を大きく左右するものになりました。
 現代社会も、これと似たような変遷を辿ったとだ考えます。


P.S 今回、ピーター・ドラッカーについて書いていた頃のエントリを読み返したら、日本語がへたすぎて恥ずかしいですね(汗)。自分の日本語能力が、半年の間に少しは成長したのだと、前向きに捉えておきますわw。