効用を考えて伝える

ヤマハギターアンプなどが好調という記事です。
アンプ・ミニコンポ…新生ヤマハ「伝統と革新の融合」 :日本経済新聞

私は中学の頃エレキギターが大好きで、ヤマハのアンプを使っていい音を出そうといじくり回していました。大人になって眺めてみると、当時とは違う考えが浮かんできたので記してみます。日経さんの記事はその性質上「ヤマハが好調ですよ」と伝える目的のもので、商品の「効用」についてあまり伝えていません。「効用」について私なりの考えを述べようと思います。

エレキギターを弾いたことのある人は、小さい家庭用アンプは音があまりよくないと思ったことがあるのではないでしょうか。

しかしながら、動画を見るとなかなか悪くありません。この動画ではアンプの近くでマイクから音を拾っているため、自分が聞く感覚とは隔たりがあるのです。CDなどで聞けるプロの音も、大半はこのように録音されています。ギターアンプはオーディオ機器と違って、数m先の人間の耳に届けることに特化されていなません。音量を上げれば迫力は出ますけど、家庭用としては近所迷惑です。

また、ギターアンプは「音の歪み」を「エフェクト」として利用する特徴があります。電気信号や本体の歪みが味のある音として評価されます。数m先の耳にピュアな音を届けるオーディオ機器的なアンプは、ぶっちゃけつまらないのです。

「エフェクト」と「耳に届く音」を両立させるためには、電子的に「エフェクト」シミュレートした音をオーディオ的なスピーカーで再生することがひとつのよい方法です。私個人は、エフェクター機器とオーディオ用スピーカーを都度接続して使うことが多かったのですが少々面倒と感じることもありました。そこを接続なしで手軽に使えることがヤマハのアンプの「効用」だと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。まわりくどい説明で申し訳ありません。

現代の世の中では、単なる機能やデザインだけで高価な商品を購入することは少ないです。商品を開発する人はいかに「効用」を実現するか考え、営業をする人はいかに「効用」を伝えるか考えているものだと思います。

ものづくりの世界、まだまだいろいろやれると思います。