世界は相互に繋がっている―『フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年9月10日発売号』


フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年9月10日発売号

フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年9月10日発売号

 レビュープラスさまから献本が届きました。いつもありがとうございます。
 フォーリン・アフェアーズ・リポートという雑誌について、僕はよく知りませんでした。ウェブサイトはこちら(link:英語Foreign Affairs Magazine: analysis and debate of foreign policy, geopolitics and global affairs link:日本FOREIGN AFFAIRS JAPAN)まずは、この雑誌がどういうものであるか、雑誌から引用して紹介してみます。

フォーリン・アフェアーズ外交問題評議会(CFR)について
 1922年にニューヨークの外交問題評議会(CFR)によって素管された外交専門誌フォーリン・アフェアーズは、冷静の理論的支柱とされたジョージ・ケナンの「X論文」、れい線の大きなパラダイムの一つを提供したサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」など、時代の節目ごとにその後の世界を予見する重要な論文を発表し続け、国際政治、国際経済、グローバル・ビジネスの意思決定に携わる者の必読誌として世界的な権威と名声を確立している。
 国際主義思想と政策を啓蒙するCFRは、フォーリン・アフェアーズの発行に加えて、研究会、講演会を数多く主催し、その一部をリポートや議事録として公開する一方、時事問題に関する専門家へのインタビュー、分析をウェブ上で公開することで、グローバル市民の国際問題への理解を深めようと試みている。
 フォーリン・アフェアーズ・リポートは、フォーリン・アフェアーズ論文だけでなく、CFRの議事録やリポート、専門家によるインタビューや分析も掲載することによって、フォーリン・アフェアーズの重厚な議論を時事性と背景分析の中に位置づけ、ワシントンでいま何が争点とされているのか、グローバルなアジェンダは何なのかを伝えることを目的としている。(冒頭より)

 僕の立場を振り返って、グローバル・ビジネスに関わる場面があったかと思い返してみました。大げさなことではないし、自分が深く関わったわけではありませんが、商品を海外で売ろういう話には何度か出会い。多少の手助けをすることが何度かありました。当時はそれに対して深く関わろうとも思いませんでしたが、今後はその機会が増えるだろうし深く関わる予感があります。

ドル

 「特集1 迫り来る準備通貨危機」はドルについての記事3編です。世界の基軸・準備通貨として存在してきたドルが変化しようとしているという内容です。たまたまギリシャ危機でユーロが低迷しましたが、その存在感は無視できないし、アジアでは人民元もあるという内容などが取り上げられていました。僕にとって、この辺りは少々難しい内容で、あまり理解はできなかったのですが、ドルが世界唯一の基軸・準備通貨であった時代から変化があるとすれば、どのようになるか変化に対して敏感であらねばと思いました。いまの僕の状況では、直接に海外と取引などがあるわけではないのですが、いつどこで関わるかわからない状況だからです。

アフリカや中東

 「特集2 緊張高まる中東情勢」の記事に加え、ケニアやアフガンや北朝鮮の情勢を紹介した論文や記事もありました。日本で生活していると実感しづらいこともあるのですが、世界にはこれほど緊張した局面もあるということも心に留めておきたいものです。先日、尖閣諸島沖の問題にて、日本と中国の間に緊張が走りました。無頓着ではいられません。
 また、世界には複雑な諍いのなかで暮らし、問題に立ち向かう人たちがいるという事実を知ることにより、自分の身の回りでおこりつつある諍い程度のことは何てちっぽけなものだろうと思うようになりました。つまり、困難で大規模な対立や問題に立ち向かう人がいるのだから、自分の身近な出来事に対しても立ち向かおうという勇気が湧いてくるということです。

水や食料について

 「世界的水資源不足の時代へ―ペットボトル飲料水は何を意味するか」は最も実感を伴なう記事でした。僕は経済や国際情勢について直接触れて感じる機会はあまり多くないのですが、水はかならず接するものだからです。世界には水不足に悩む国がありますが、日本は水資源という点で大きく恵まれています。「下水は廃棄物か資源か(P.72)」という章は、処理済みの下水を活用する例が紹介されていました。水不足に悩むオーストラリアにて、炭鉱の粉じんが舞うのを抑えるための水として、日本から処理下水をタンカーで運ぶという予定もあるそうです。

世界の多様性と相互依存

 この雑誌は僕にとってやや難しい内容が多かったのですが、はっきりイメージできたことがひとつあります。水が不足する国もあれば、豊かな国もあります。通貨が強い国もあれば、そうでない国もあります。互いに不足するものがあり、相互依存で世界が回っていく様子が眼に浮かびました。
 いまの世の中、いつ海外との積極的な取引に直面するかわかりません。また、グローバルな経済のなかでいつ自分の身近に変化がおこるかわかりません。個人的には、このような国際問題にもう少し興味を持つ機会を増やしていきたいと感じました。