はやい作業とグローバル

PC操作―初心者向け

 会社の仕事でもPC操作がうまくできるようになると、うまく扱えない人の何倍も作業が速くなります。検索をうまく使うことによって、社内文書やデータは全部好きなときに見て参考にすることができました。書類作成の量も、段違いに多く体験しました。表面上のテクニックとしてだけでなく、仕事の本質的な理解へ向かう第一歩になった一面もあります。

なぜそこまで調べたり考えたりしないといけないのか

フラット化する世界 [増補改訂版] (上)

フラット化する世界 [増補改訂版] (上)

 僕が読んだのは2006年版の『フラット化する社会』ですが、これをクリックしてアマゾンページにいく人が最新版を購入できるよう、2008年版の方を紹介しています。 印象に残った箇所は、大前研一氏が当時に行っていた事業の、日本で使うCAD図面を中国のCADオペレータが作成するのを仲介する業務です。中国の人件費は日本よりも安いです。本が出た当時から数年経っている現在では、僕の身の周りを見ても、メーカーや建設業者などが日本国内の業者に仕事を依頼するケースは少なくなっています。
 学生の頃に訪問した企業のひとつが中国に図面を発注していたため、このような業務については本を読む以前に知っていました。だから社会人初期には、図面を描くための操作を、普通にやるよりも何倍も速くする方法を追求してきました。人件費ベースで考えて少なくとも普通にできる人の5倍速い操作でないと、日本人の僕が図面を描く場面に関わる価値はなくなるからです。最初に紹介したウェブ記事にあるような内容は、より速い操作に役立つ最初の一歩でした。
 5倍速い操作を実現すると、いちばん肝心なのは作業手順の奥底にある本質を見つけることだと理解しました。それは設計内容を考えるうえでも役に立ちました。本質を見抜いて、それをかたちに表現して実行するという思考プロセスとしては同じだからです。
 より高い付加価値を見出せない人材は、グローバル社会において、仕事を得られずに不安定な立場にさらされる可能性が高いと考えます。だから、何するにおいてもできるだけ調べたり考えたりしてきました。PC操作の工夫は、その様々な工夫の一部です。
 速い操作を追求していく過程で残念だったことは、その作業スピードについてくる人が少なかったことです。最近リストラされた人や、経験を積む機会がすくないために業務を理解できない人や、受注がなくなった作図業者などを見ると、自分がうまく育成できなかったからその事態を招いたのかもしれない、と反省しています。だから、人材育成の本を読んだりしたこともあります*1。いろいろな反省から気づいたことのひとつが、作図業務についてこれない人は、キーボードを入力したり検索したりすることもうまくできないことです。これは僕にとっては簡単であたりまえすぎることなので、他の人に説明する機会が少なかったのですが、知らない人はそこから覚える必要があると考えます。これがどこかで誰かの役に立てたら幸いです。