龍馬伝 弥太郎の涙

 下士に対する上士のえげつない仕打ちについて、第一回以降はそれほど目立ちませんでしたが、今回久々に出ましたね。乙女姉やんのセリフがいい「お兄様はいつもいっているではありませんか。自分だけがいいという考えはいかん。」
 ストーリーは、岩崎弥太郎の父が袋叩きにされ、大怪我をすることから展開していきます。袋叩きにした側の庄屋は、奉行からのお咎めをうけず。龍馬と弥太郎は、不正に対して憤ります。それを吉田東洋に訴えますが、「自分は天才だから何をしてもいい。お前たちには何ができる。」という東洋の言葉で退けられます。幕末で各藩の政治状況は不安定です。どんな不安な時代でも、有能な仕事ができる人にとってみれば、何をしていようとも、職を得てそれなりに活躍することはできると思われます。一方で、社会から切り捨てられそうになっている下士のなかには、過激な攘夷思想を前面に押し出して行動する者もいます。武市半平太らの一行。
 ドラマでは悪役的に描かれていますが、wikipedia:吉田東洋を見ると、政策的には有能な人物だったようですね。
 不安な社会状況において希望があるとすれば、こんな社会のあり方はおかしいということに、人々が気付きはじめていることです。先日、僕の周りでは新しい提案をしていこうという動きに、様々な方面から賛同が集まり、感謝の気持ちを抱きました。
 平和な時代であれば、いままでと同じことさえやっていれいれば、給料をもらって平和に暮らすことができました。いまは、それだけでは先が見えない時代です。しかしながら、不安のある時代であるがゆえに、新しい動きに対する賛同も得やすいと感じました。そこが希望だと考えます。
 ここで、素朴な考えを思い巡らせると、やっぱり「自分だけよければいい。」という考えはいけないのだろうし、不当な扱いについては、断固として戦う方が精神衛生上よいですね。その気持ちを忘れないで生きる人こそ、大きな仕事を成し遂げられる。それが今も昔も変わらない、一種の成功法則かもしれません。