ビジネスの名作は、まず自分の身の回りにある

30過ぎたら利息で暮らせ! (講談社BIZ)

30過ぎたら利息で暮らせ! (講談社BIZ)

 今年になってから、なんとなくブログをはじめましたが、そこで何をするか決定的だったのが原尻淳一さんのREADING HACKS*1でした。いまの自分の立場にとって大事なのは、日常の仕事のなかでスペシャリストをめざすこと。ビジネス書といえば、経営者か研究者か専業ビジネス書作家というイメージがいままでありましたが、原尻さんはサラリーマン。今年はそういう方による本が好きで、いろいろ読んでいました。今の自分にとってはそちらの方が参考にしやすいです。
 この本は、小説仕立ての形態によってその考え方をより詳しく紹介しています。小説仕立てのメリットは、内容イメージがしやすいことと、テクニックの解説的なものでは分かりにくい本質的なことが伝わってくることだと感じました。それは、本としてのみ有用なことではなく、ストーリー仕立ての企画書というのも本のなかに登場します。
 この小説の最初のほうで、マーケティングの上司はやや嫌な存在として描かれます。

「いいか深田。会社なんてものは、いかに出世して経費と人件費を私物化できるか、ここがキモなんだよ。だからさ、お前は俺のやっていることをよく学んでいればいいの。わかった?」(P.28)

 個人的に、こんな考え方は確かに間違っていると感じます。しかしながら、そんな発言をする上司も仕事で結果を出しているし、仕事の技術として学ぶものも多いです。まず学ぶべきことは自分の会社、業界の実務のこと。嫌な上司や環境から逃げ出そうとまず考えるよりも、その考えをまず受け止めるほうがうまく実行できます。

本の中に、個々の人にとっての<真実>なんてものは、どこにも書かれていませんからね。(P.91)

 と主人公の深田に対して、師匠がアドバイスします。 " 本業をないがしろにする者に、成功なし " そして、読書するにしても何をするにしても " アウトプットにつなげることを意識する " ことが大事。
 いま、この本の内容も参考にしながら、ここ一年を振り返って考えています。