最悪 と よかった
- 作者: 和田裕美
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2009/08/21
- メディア: 単行本
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事実はひとつ 考え方はふたつ
目の前にひとつの事実があります。
最初は、「最悪だ」とパニックに陥る。
↓
その事実から「よかった」を探す。
↓
「最悪だ」と「よかった」を並べておく。
↓
「さて、どっちを選ぼうかな」と二者択一する。
(P.46)
というふうに、自分の事実に対する捕らえ方を変えていくのが陽転思考です。つらい体験をしたという事実があって、それをどう捕らえるかは自分次第。つらい体験のなかからでも、よかったことを発見して行こうというのが陽転思考ということだと解釈しました。この本は、陽転思考が、次々にいろんな出来事をよかったものに変えていくという、壮大なストーリーに思えます。豊富なエピソードでページ数も多く、読み応えがあります。よいことだけを考えていこうといういわゆる「ポジティブシンキング」に違和感をもっていいとも述べられています。「ポジティブシンキング」がいいことだと言っている人も、そう書いてある本も、昔からたくさんあります。それを頭で理解していても、つらいと感じる場面はたくさん出会います。それを踏まえたうえで、しつこく「陽転思考」について述べています。
漫画のドラゴンボールみたいなものだと思います。ドラゴンボールのストーリーを要約してしまうと、「強い敵が現れました。こっちも頑張って強くなって、敵を倒しました」というのを延々繰り返しているだけなのですが、決してつまらない漫画ではありません。様々な場面があって飽きさせないというところがポイントです。
「新・陽転思考」という本の内容をひとつの事実とすると、考え方はふたつ。「ああいい話でした」とだけ受け取るか、自分の人生を良い方向に変えるために何か行動できるか考えること。
「よかった」を釣り上げるのは、私ではなく、それぞれの人生を生きる主役の人たち。(P.207)
ということで締めくくられます。そして、陽転思考の体験談として、和田裕美さんのセミナー受講者や読者、ラジオのリスナーの話が最後に紹介されていました。「よかった」を見つけるストーリーはいろんな人のところで続いているようです。