時間についての傑作文学

 今朝の読売新聞1面の編集手帳、内容は1987年(昭和62年)幼稚園児殺害のニュースに対して来日公演を行っていたマイケル・ジャクソンさんがコメントを寄せたということでした。最近のニュースそれから長い時間が経ったことを改めて感じさせます。そこに童話「モモ」の一節が引用されています。引用されたのは、<人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、かなえられてしまうことなんだ・・・>。これがマイケルジャクソンの境遇を言い表すのに的確かどうかはわかりませんが、この童話は現代に生きる人々にとってひとつの警鐘だったとは思います。
 平和だった街の人々が、時間どろぼうと呼ばれる者たちによって、心にゆとりを持てずにあくせくと働き続ける状態にされてしまいます。人々の心を平和にさせる力をもつ少女モモが、時間どろぼうから時間を取り戻すというストーリーです。いままた、このストーリーの内容が心によみがえっています。
 誰かに対してゆとりと潤いをもたらす行動が、いままでどれだけできたか。これからどれだけできるか。困難や危険に立ち向かう勇気を出せるかどうか。そんなことが頭に浮かんでいます。