人を大切にする組織

ドラッカー名著集11 企業とは何か

ドラッカー名著集11 企業とは何か

 様々な内容が述べられています。なかでも印象に残ったことを挙げると、人の尊厳を尊重する企業はそれゆえに利益の向上をはかることができるということが、重要な要点のひとつでした。この本は1946年に書かれたもので、GMについての調査が元になっているそうです。しかし、あとがきで示されますが、従業員がマネジメントの責任をもつという考え方は、GMに受け入れられなかった。ひらたくいえば、従業員は「言われたことをやっていればいい」という考えに行き着きます。それは、現代の視点からみて時代遅れと非難することはたやすいです。傲慢で無神経なイメージで、明らかに嫌われるでしょう。しかし、「言われたことだけやっていればいい」というやり方が企業の利益を向上させるという考えも、当時であればひとつの見方として通用する余地もありました。GM経営陣が、ただ傲慢で無神経で、企業の利益を無視していたわけでもないということです。
 そして、社会はさらに変遷し、知識労働者の重要性が浮かび上がります。そして、今年に入ってGMの末路が明らかとなりました。その内容はいまさらここに記述するまでもないと思われます。