はじめて読んだドラッカー

 3年2年前ぐらいに読んだ本です。昨日のユニクロ柳井会長のテレビ番組で話題のP・F・ドラッカー。はじめて読んだときの印象では、ちょっと堅い感じがして読みにくかったですけど、今でも影響が現れていると感じます。
 まず、本の構成を表す目次を抜粋して紹介します。本当の目次は、これの下に章のパラグラフがつきます。

  • Part1 いま世界に何が起こっているか
  • Part2 働くことの意味が変わった
  • Part3 自らをマネジメントする
  • Part4 意思決定のための基礎知識
  • Part5 自己実現への挑戦

 Part1からPart2にかけての内容は、主に20世紀に世界で起こった変化についてです。ここで出会った歴史観や社会観には感銘を受けました。以前に日記に書いた、「紛争地帯スーダンの映像を見て考えた仮説 - FDmountwill_millsの日記」や「イギリス、ロックギター、世紀、山口、江戸時代、明治時代、現代 - FDmountwill_millsの日記」や「ミッション・ステートメント - FDmountwill_millsの日記」は、この本の影響がもろに出ています。
 僕は、昔から歴史の変化について知るのが好きでした。近代の建築史や産業史、デザインや美術史の本が大学生の頃好きでしたし、大学が山口県だったということもあって幕末の出来事にも興味がありました。そんな僕にとって、歴史上の出来事そのものは十分知っていました。しかし、この本で僕が新たに出会ったのは、歴史が社会がこうだから、自分がどういう状態に置かれていて、そのなかでどのように仕事と関わるかという視点でした。そこで、知的労働や生産性という言葉を意識するようになりました。
 Part3以降ではいわゆる仕事術的なものが多く紹介されています。仕事の内容を書き留めることや時間の管理をすることや、意思決定をすることなど、幅広く紹介されています。個人的な体験を思い起こせば、これにも影響を受けて、いろいろやってきたように思います。つい先日も、スケジュールや案件を書き留めることについて、日記に書いたところです。「中だるみの水曜日 - FDmountwill_millsの日記」や「進捗管理エクセルシート - FDmountwill_millsの日記」など。
 この本では、歴史の出来事や著者の鋭い考察を織り交ぜて、その仕事術が述べられます。知的労働や生産性という言葉で示されてきた内容は、仕事術の背景として説得力のあるものでした。具体的なテクニックとしての記述は、近年のいわゆるベストセラービジネス書の方が詳しいかもしれませんが、それだけ読んでいたら小手先のものにしかできなかったかもしれません。背景や目的を意識できるからこそ、テクニックとして継続できて、自分なりのやり方に発展してゆけると感じました。仕事術の背景を意識するきっかけになった本として、僕のなかですごく価値のあるものになっています。