仕事が早いということ3

 仮に、仕事が10倍効率よくできるとして、どういうことが起こるか。例えばそれまで従業員5,000人規模の会社があったとして、10倍効率がよくなれば500人で同様に運営できます。4,500人リストラです。1.2倍効率が良くなっただけでも。1,000人のリストラが可能です。効率がよくなってよかったですねめでたしめでたし、というわけにはいきません。仕事が早いのに「納得いかない」と言われたり、「あなたはそんなこと考えなくていい」などと言われる背景には、こういうこともあると思うのですね。単純すぎて見逃しがちですし、人道的観点からそんなこと起こりえないと思い込みがちでした。しかなしながら、商品やサービスを購入する顧客が少ない状況になったら、効率を上げるほどそれが現実味を帯びてきます。
 だから、未来に向けてクリエイティブに新規事業を創出するとか、日本を良くしようというビジョンとか、そういうものが不可欠なのだと思います。余裕ができる仕組みがあって、実行する従業員がいる状態であれば、未来に向けての投資的な活動ができる。その投資が採算に乗ったら事業が存続できる、というよりそれができなければ事業は存続できないと思います。そのために、本に出てくる言葉でいう「仕組み」*1や「10倍」*2が不可欠なのだと思います。