三毒追放の元ネタは、見かけによらず楽しい本でした #shigotogaku

洞察力―本質を見抜く「眼力」の秘密 (PHP文庫 ナ 1-1)

洞察力―本質を見抜く「眼力」の秘密 (PHP文庫 ナ 1-1)

 はてなブックマーク - 勝間和代「チームと調和する」 | キャリワカ:仕事術 | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉 、にて紹介されていた本を入手しました。この本は古くて最近は人気がないのか、書店でもアマゾンでもなかなか発見できなかったのですが、大量に入荷していた書店があって入手できました。テレビで紹介ということで、今後はいろんなところで入荷や増刷があるのではないかと思われます。なにやら古くて小難しそうに見えますが、内容は本当に楽しく読めます。
文庫版への序文より

 これを書いた頃はちょうどお釈迦さまの哲学を解くカギをみつけて、「法華経」ととりくんでみようという気を起こしていたときです。なぜそうなったかといいますと、その前に、1930年代に量子力学という極めて独創的な仮説をつくった天才物理学者、ボーアとか〜

 いきなりお釈迦様と物理学が登場して、それがどうつながるのか疑問がわいてきました。それに続けて、釈迦哲学について

 つまり、簡単にいえば、「悩むのはお前がバカだから」で、このバカの根源を「無明」といい、だから、「私がこの無明から開放されるような方法を教えてやろう」という、いわば「問題解決学」なのです。

  という言葉があります。この本の内容は、論理的思考や東洋哲学などの教養が入り混じっているのですが、上記のようなくだけた言葉遣いも登場して、親しみやすい内容でした。
 脳科学について取り上げた部分も多いです。最近では脳科学の本がたくさんベストセラーになっていますが、20年以上前にそれについて触れていたとことに驚きですね。見かけによらず、現代的ベストセラー本に近い内容が盛り込まれています。

三毒追放」と忘却曲線

 「怒らない」「愚痴らない」「妬まない」の三毒追放について、ここでは「エビングハウス忘却曲線」を用いた解説があります。忘却曲線というのは、人間が学んだ内容は3日経ったら半分の量になってしまうという内容で、勉強法の解説本だと「だから、復習というのが大切ですよ」と結論づけられることが多いです。ここでは逆に「いやなことについて、いつまでも怒ったりしていたら、いつまでたっても忘れられなくなりますよ」という内容だと理解しました。

健康法 禅と少林寺拳法

 洞察力を鍛えるにはどうすればいいかという観点で、「禅」についても述べられています。「禅」の成り立ちについて、以下のような考察があります。

 とにかく、大師は中国に渡って例の少林寺に入ったとき、そこにいた坊さんたちの身体がよくないのを見て、これではとても禅の修業に耐えることができないと思い、まず健康、ということでヨーガの体操を教えたらしい。易筋経という、ただ腕を前後に振る簡単なものから、いわゆる「拳」、太極拳みたいな拳法も作ったといいます。少林寺拳法という武術が達磨大師の発案かどうかは知りませんが、もう一つはヨーガの坐法、呼吸法で、これがいまの座禅の原型になったのではと思います。 

 洞察力を鍛えるにしても、前段階として健康法としてのメソッドが必要なんだと思います。日々健康に気を使って、運動を取り入れたりすることが大事なのだなと思いました。NHK教育仕事学のすすめでは、http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090819/175062/という内容も放送され、勝間和代さんが考える健康についての解説がありました。やはり、洞察力を発揮していくために健康も大事ですね。