再度 大河ドラマ天地人感想 

読み返してみたら、昨日も書いた大河ドラマの感想もなんかやな感じですね。これだと、兼続がただのばかみたい。僕はストレスたまって、日本語回路不調になっていたのかもしれない。ここで全面的に修正したいです。

兼続のいいところは、まず他の人がなかなか考えつかない発想力、それを何が何でもやりぬくという意思の強さ、上司や組織や交渉相手に対して役立つことをしようという態度、ということかなと思います。その点だけ見れば、誰にでも受け入れられる素晴らしいものに思われます。

しかし、現実はそううまくいきません。なぜなら人は自分で思いつく範囲を超えたアイデアに出会ったとき、まずはそれを否定したくなるからです。そんなアイデアが、未熟であまり強くなさそうと思われがちな人の口から出たならば、経験豊富な年長者はそれを即否定したくなるのは当然でしょう。そのアイデアがよい理由を論理的にプレゼンするだけでなく、いろんな手でしつこく食い下がらないといけないと思います。

多くの人から、あなたはだめなんだと責められている場面においても、単に理由をうまくプレゼンするだけでは足りません。たとえば理由を挙げるとして、くどい言い方をすれば、難しい局面というのはアイデアひとつで全てうまくほど簡単でないために、難しい局面であるのです。春日山城の占拠や、武田軍との和睦というのは、どう考えても難しい局面でした。うまくいかない面があったとして、失敗と決め付けられるものではないのかもしれません。ましてや、経験不足な兼次のやったことだからなおさらです。しかし、実際にあなたはだめなんだと責められている場面では、そんな理屈だけを言ってもなかなか通じないのだから、はっきりと伝わるように言わなければいけない。

こうやって相手にはっきりものを言うと、相手の方は自分が非難を受けているのではないか、あるいは誰かを侮辱しているのではないかと感じる場合もあるので、なかなか難しいものです。それでもひるまずに、上杉景勝という上司や、上杉家という組織の年長者達や、武田軍という交渉相手など、いろんな人を相手に自信を持って話している兼続というキャラが大好きです。相手のためになることをするという発想と、その発想を現実のものにしようとする強さには、自分の体験と照らし合わせて考えて、いろいろ胸をうたれるものがありました。